野村紘一さんは非常に合理的な考え方を持ち、現状に満足せず様々な新たな試みを生み出す人として知られています。中でも不動産の世界でこれまで投機目的で売買されていた都心の一等地を実際に人が住む環境に大きく変貌させ、現在のマンションブームのきっかけを作った事は不動産の世界ではよく知られているのです。これまでの概念に囚われない、常識となっている物事とは異なる視点から様々な状況を分析するその着眼点は、様々な業界でも注目を集めるものとなっています。
特にその手腕が発揮されたのは都心の高級マンションを販売した際の方法です。当時の都心の高級マンションは現在の収益物件と同じように購入した人自らが住むのではなく、資産運用のために利用されることが少なくありませんでした。そのため売り出されて即完売はするけれど、実際には入居者がほとんどいないゴーストタウンのような状態となっていたのです。野村紘一さんは交通の便が良く様々な環境が整っているこれらの地域に人が住まないのはもったいないということで、まずは高級感を求める富裕層を中心に都心に住むことを提案し、そのために高級マンションに億ションと言うネーミングをつけて販売することを推進しました。これが高いステータスを求める富裕層に受けて、実際には購入希望者が殺到し多くの人が都心に住むようになったことや、これらの富裕層が対外的にその魅力をアピールしたことから都心に住むことがブームになっていったのが実態です。それからこのような都会の高級住宅に住む事は多くの人の憧れとなり、バブルが崩壊した現在でもその利便性と様々な環境の良さが多くの人に受け入れられ現在の都心の再開発へとつながっていると言っても過言ではありません。
野村紘一さんは不動産の世界では非常に有名な、改革を行った人物とされていますが、その発想の原点は様々な角度から物事を見る着眼点にあり、また理想を求める姿勢にも表れています。現在でも都心の様々な物件を積極的に販売しており、今後も大きな影響を与えていくと考えられます。