野村紘一さんと言えば株式会社アルテカもとい高級マンションをデザインする会社の社長さんで、一世一代の成功をした人というイメージがあります。このイメージは野村紘一さんの成功から時間が経った現在でも色褪せる事はありません。どうして不変的なのかと言えば、野村紘一さんの手掛けた事は現在でも通じる戦略だからです。
規模や種類はともかく、社会で成功する事は並大抵の事では出来ません。
大雑把に言ってしまうと運が関わっている事や成り行きに任せるしかない時もあるものの、だからと言って成功するための布石を怠る理由にしてしまうのは間違いです。たとえそれが他人の目から見れば「絶対に失敗するだろう」と思われても成功へのステップになるなら歩むべき一歩と言えます。現に野村紘一さんの事業の始まりは東京に高級なマンションを建てる事からでした。
当時の東京には高級マンションはほとんどなく、また当時の人々は「マンションなんて売れるわけがない」と考えていたのです。当時の住居は一戸建てが一般的で、マンションはないがしろにされていました。不動産会社ですら意識していなかったそうですが、欧米の土地の利用法や住居の文化を知っていた野村紘一さんは欧米に負けないために勝負に出たと言います。結果反響は凄まじく、高級マンションの火付け役になったわけです。ある意味他者との競争を避け、新しい価値を作り出した事で成長したとも言えます。
とはいえこの手段は冷静に考えればギャンブルでもあるので堅実に行きたい場合は顧客のニーズにコツコツと応えていく選択が賢明です。アルテカの成功も元々は潜在的なニーズがあったからこそだと本人がインタビューで語っています。ただしニーズへの対応は他社にはないオリジナリティ、あるいは少しズラした価値を提供する事が肝要だそうです。真正面から受け取っては他社に力押しで負けてしまう可能性があるので、強かに相手を出し抜く事が求められます。